第25回日本認知症グループホーム全国大会(広島大会) 

今年のグループホーム全国大会(10月16~17日)には社長と従業員4名で参加しました。グループホーム大会というのは年に一回だけ開かれ、主に認知症ケアやグループホームに関する最新の情報や取り組みを共有するためのイベントです。専門家の講演やポスターセッションのほかに、全国の施設が自分たちのホームの取組などを発表する時間もあります。

グループホーム全国大会 – 公益社団法人 日本認知症グループホーム協会 (ghkyo.or.jp)

10月16日(一日目)には映画監督の信友直子さんより「認知症がくれた贈り物」というテーマでの公演がありました。完璧な主婦で社交的だったお母様が認知症となり、今までは家事などをしたこともなかったお父様が介護をされる様子について温かい口調で話してくださりました。信友さんのお父様は本が好きで無口な方だったので、お母様が元気な時はどちらかというと家庭内で影の薄い存在だったようです。しかしお母様が認知症となって、お父様は「今まで主婦として頑張って支えてくれていた。これからは今までの恩返しをせなあかん」と決意されたようです。そして不慣れな家事に挑戦し、家事ができなくなって申し訳なさそうにする妻を見て、あえて楽しそうに家事をして見せて気に病まないように工夫されたりと一生懸命にお母様を支えられたそうです。このような姿を見て、今まで知らなかった「父親は実はこんな人だったんだ」という発見が自分にとって「認知症がくれた贈り物」でした、という温かいお話でした。

午後はポスターセッション、そして「能登半島地震・西日本豪雨から学ぶ避難所ケア」についての講演がありました。学びになったのは災害が直接の原因で死亡することもあるが、災害関連死といって災害によるけがや避難生活による健康状態の悪化が原因で亡くなることも非常に多いということでした。防止する方法方法についても丁寧に講義して下さりました。

夜は意見交換会といって食事を楽しみながら全国のグループホームの職員さんと交流できる機会がありました。食事はカキフライやお好み焼きなどもでて、楽しく会話を行うことができました。

10月17日(二日目)午前中は分科会に分かれて、全国のグループホームの方の演題発表がありました。いろいろな事例が一度に聞けるので、分科会を行き来し、非常に忙しい午前中になりました。グループホーム大会の良いところは、全ての発表者がグループホームの従業員・管理者層なので、どの事例も自分のホームでの課題・悩み事に近く、ホームで活かしやすい、ということがあります。例えば「夜間入浴の取組」の発表があり、それは介護施設では人員が充実している午前中のみの入浴がほとんどですが、利用者様の希望があり食事後の「夜間入浴」をどのようにはじめることになったか、という話でした。この話を聞くと、介護職員ならきっと「絶対職員からの反対があって無理」と思うはずです。なので発表の中にはどうやって職員に納得していただいたか、という話も含まれており、非常に面白く聞くことができました。また、一緒に行っていた他の職員さんは自分のホームにいるから、とパーキンソンの方の講義を聞きに行き、勉強になった、とのことでした。

アサヒケアサービスからも一名発表があり、「ICF構造を意識した施策 ~笑顔を導く相関関係~」と題し、ICF構造に触れた内容を発表しました。ICF構造については名前も聞き、たくさんの学習会も行われていますが、それはICFの概念についての学習であり、なかなか“活かす”ところまでは理解できていない人も多いのではと思います。発表者の職員さんがどのようにICF構造を元にして、利用者様の笑顔になっていただいたのか、という内容で発表されました。発表者の方はあまり緊張せず、落ち着いて発表されていました。

午後には介護現場におけるDX化の学習会やシンポジウムもあり、盛りだくさんの二日間でした。

ただ今回の会場は広島国際会議場ということで、空いた時間に近くの慰霊碑や平和記念資料館にも何名かで見学に行きました。

一日目 意見交換会

二日目 アサヒケアサービス株式会社 発表

二日目 アサヒケアサービス株式会社 発表様子

慰霊碑