第26回日本認知症グループホーム全国大会(兵庫大会)①

12/3、12/4とグループホーム大会に参加してきました

今回の標語?は「第26回 認知症グループホーム全国大会 グループホームの輝く未来をえがこう!~認知症基本法とともに~」というタイトルでした。

私と職員さん2名の参加です。私は今回3回目の参加で、今までは「三重大会」「広島大会」に参加しています。

現在グループホームを運営する者として、正直色々考えることがあります。

このタイトルにもあるように「グル-プホ-ムの未来」とは何か? ということです。

大会主催のグループホーム協会のホームページ(https://www.ghkyo.or.jp/greeting/whats-grouphome)には詳しくグループホームの説明が載っています。要約すると、グループホームとは「認知症の人を生活の主体者として捉え、少人数の家庭的な環境の中で日常生活を共に営みながら、尊厳と役割を守り、残された力を引き出して本人らしい安定した暮らしを支える介護の形」と説明されています。「地域密着」「少人数」「認知症特化」といったキーワードに集約される大きな理念です。
一方で、一般の方にとってグループホームの認知度は必ずしも高いとは言えず、施設見学に来られる方の多くは、入居施設全体の中の一形態として捉えておられる印象もあります。

GHについてご説明しますし、中にはそれに共感してくださる家族様もいらっしゃいますが、多くの方はどちらかというと「食事の栄養バランス」「施設のきれいさ」「知名度」「法人規模」を見ておられます。グループホームの理念が、こちらの理念だけで、選ばれる理由、いわゆる「刺さる評価指標」になっていないというのが私の一つの危機感にあります。

どういう経緯でグループホームが生まれたかというと、北欧を参考事例に全国で本格始動したのは2000年4月の介護保険制度導入の時期で、当社の「グループホーム安らぎ※1」も京都市では初のグループホームでした。(※1施設の老朽化で移転)

当初は、比較的軽度の認知症の方が、家庭的な雰囲気の中で地域と関わりながら生活する、そうした姿を思い描いて運営が始まったようです。

しかし、制度の成熟とともに、地域密着型サービスの拡充や、在宅医療・介護連携を含む地域包括ケアの推進により、認知症の人を支える選択肢は増え、グループホームの独自性は独自性ではなく比較対象になりました。
その結果、ある種グループホームがどの機能を担うのか、ということが「理念」と、現場の肌感覚では合わなくなってきているようにも感じます。

そして、小規模・地域密着という特性は、理念であると同時に、体感として経営上の制約として感じるときもあります。※2(グループホームは地域の状況によって新規設立等はかなり厳しい。その地域の方しか入居不可)

介護事業者も2極化していて、大規模法人・基盤の強い社会福祉法人・別事業の主体をもった基盤の強い会社と当社のような小規模事業者との間では徐々に大きな差が生まれています。

一般的には、介護事業については「高齢化は今後も進む”成長産業”※3」「介護報酬は安定している」という理由から、介護事業は比較的安定した事業に見られがちです。実際別事業からの参入もあります。しかし、実際の運営現場は、そのイメージとは異なります。(※3 高齢者は2040年をさかいに減少に転じます。大会の講義の中にもありましたが、地域によってはもっと早く高齢者が減少します。2040年問題のその後にはその増加局面を前提に整備された介護事業所が、需要のピークアウト後にどのように存続するかという問題でもあります。今は足りない議論が中心ですが、その後は余る介護事業所というのが起こります)

また足元の運営を考えても、介護施設は計算上基本報酬と各種加算を前提に、制度上は事業が継続できるよう設計されています。
それでもなお、経営が立ち行かなくなる事業所が出てくるのは、人材確保の難しさや物価高、制度対応にかかる負担が重なっているためだと考えられます。そんなギリギリの状態なので、例えば2024年、介護事業者の倒産は179件と過去最多(前年比+36.6%)です。 主な原因は「売上不振」(133件)となっています。介護報酬を削減された訪問介護事業が倒産の半数近くをしめています。繰り返すように 介護事業は報酬制度に支えられ、一見すると「報酬が安定している」に見えますが、厳しい運営基準があり、実際は人材確保能力があるか、業務効率化・制度対応力があるかが問われます。そして介護報酬の変動により、その厳しい状態がどうにもならないような状態になってしまいます。 倒産した9割近くは資本金1,000万円未満の事業所であり、 脆弱な介護事業所から順に淘汰が進んでいっています。

今回のグループホーム大会で職員さんの感想に「なんかうちの事業所ではできないようなこともあった」という話しがありました。それは感覚的な話ですが、印象としては正しいように思います。グループホームの理念を達成しても、それが他の介護施設形態との優位性が保てない、そしてその中で小規模事業所と大規模事業所とみているところのズレが広がっています。

グループホーム大会というのは介護事業の中の一形態であるグループホーム職員が一同に参加できる珍しい機会ですが、(普通介護の研修に行くと、グループホームからの参加者は私一人などよくあります)その中でも徐々になんだか「同じ形態の施設の事を話しているように思えない」ということが増えてきました。職員さんが言いたかったこともそういうところなのかな?と帰りの電車の中で考えました。

小規模なグループホームというのは徐々に素朴な運営が難しくなってきています。ではじゃあ大規模化していき、2040年以後を迎えるのか? というのもなんだか難しい問いに思えます。かつ大規模な法人は法人でまた難しさがあると思います。

このグループホームの未来というのは、法人によってさまざまになってくるでしょうが、理念ではなく現状を認識しないといけないなと感じます。グループホームが特養化しているともいわれるように、名称だけグループホームでも実質は「小規模な特養」になりつつあります。

グループホームを運営する側も、改めて「グループホームとは何か」「何が提供できるのか」「グループホームの未来はどこにあるのか」を考えたうえで、「施設の強み」を伸ばしていく必要があります。今後の15年で、介護施設そしてグループホームの淘汰が進んでいくのだろうと思います。そして小規模な私たちの施設も、施設とグループホームという形態の維持に力を注ぐ必要があります。

正直、私としては小規模グループホームがグループホームらしさをもって生き残る方法というのは、ただ単純に地域に必要とされることだと思います。

グループホーム大会を通して、グループホームがすべきことは、地域と向き合うことと感じました。

大会後、社長とも相談して、来年には洛西地域のマルシェにたくさん参加し、介護相談会を開くことになりました。一歩一歩ですが、利用者様、地域の皆様にとって必要な事業所になっていかなくてはな、と思っています。

マスコットキャラのはばタンくん