京都市中小企業デジタル化推進事業

アサヒケアサービスでは令和5年度にデジタル化推進の補助金を受けました。この補助金に興味を持ったのは「専門家派遣」といって、無料で最大5回のIT専門家の派遣を受けられる点が非常に大きかったです。大企業やパソコンを主に使う仕事をする人からすると信じられない話なのかもしれませんが、地方の中小企業にはITやデジタルに詳しい職員がいないことがほとんどです。経営者に至っても、最低限メールやZOOMができるという人が(少なくとも私の周囲では)多いのではないかと思います。

そんな中で「デジタル化すると補助金がもらえる」という制度があるものの、正直なところ「何をどうすれば?」という気持ちでした。結局、そんな補助金を受けられるのは、ある程度デジタル化の下地がある「本当に困っている」企業ではないのではという気持ちもありました。(※パソコンに詳しくない人は、困っていることをITを使ってどう改善したらよいのかがわかりようがありません)

ただ、今回の補助金は専門家が来てくれるので、「それならできるかもしれない」とある意味無策でしたが、申請を行いました。たとえ補助を受けられなくても、専門家と話せる機会が会社にとって意義があるのではないかという思いもありました。

しかし、直前になると急に不安が押し寄せてきました。というのも、私はずっと介護の現場にいるばかりで、デジタルという言葉だけでも頭痛に見舞われます。30代くらいのビジネス用語を多用する早口のITマンが来ると、きっと最初の面談から嫌になることが予想されました。

しかし来られたのは非常に誠実な方でした。私の要領の得ない依頼とも言えない相談に、的を得た回答をくれました。こちらの問題の解像度が非常に低いのにもかかわらず、介護事業の背景情報なども踏まえ、情報提供を熱心にしてくださったことで、何をどうすればよいかというのがわかりました。 専門家の先生には「(私が言いたかったのは)そういうことです」と何度言ったか分かりません。

結果的に専門家は最大5回も訪問して下さり、みっちり情報提供と相談に乗ってくださりました。

補助を受けたのは給与システムと情報連携システムについてで、去年の今頃に本格始動しましたが、かなり成果を感じています。

デジタル化できていない、という中小企業によくある悩みというのは、お金を渡せば解決するという問題ではありません。というよりお金だけ出すと、専門知識がない会社ほど不幸が増えるのではないかな、と感じます。色々周りの会社を見ていると、お金をかけて新しいピカピカのシステムを入れても、使いこなせず、導入に係った人の労力、お金を考えると引くに引けずに苦しみながら新システムを稼働させ続け、現場から不満が爆発するというのを何度も見聞きしました。(そして気づいたときには元のシステムに戻っています)デジタル化するにあたり、大事なのは【自分たちが本当に困っていること】をきちんと理解することだとおもいます。漠然とした困っていることがIT化でよくなるかも、というくらいの気持ちでは失敗します。そしてその困っていることと【専門知識】を結びつけることが大事なのだと思います。(偉そうに言ってはいますが、このあたりは専門家の先生のおかげで、抱える課題が明確にできました)

よくニュースで補助金の不正受給など取り上げられていますが、どうしても「そういう申請書類のノウハウを知っていて、上手に”作文”ができる会社」が助成金や支援金、補助金にアクセスできます。そしてかなり本気で困っている中小企業は申請書類のノウハウもあるはずもなく、結局コンサルに頼んで申請書類を書いてもらったりしているところもあります。なんとか申請書類か完成して、例えばIT化、DX化に纏わる補助を受けられても、申請書類も自分で書いておらず、実のところ何が困っているか理解していないならIT化などうまくいきません。

今 回の補助は専門家派遣を受けて、専門家と課題を話し合い、そして必要なモノを揃えた分の金額の補助が受けられました。専門家の先生にはいくつか困っていることをお伝えし、IT化で解決できることについて情報提供を受けましたが、一つの課題についてはむしろ今の方がいいのでは、という結論に至ったこともありました。

こういう形での補助金などが増えれば、きっと困っている中小企業の助けになるのだと思います。補助金を受けようと思うのは単にお金がほしいからではなく、会社として成長したいという思いがあるからです。

今回の補助金を受けることができ、実のところまだまだIT化の課題はありますが、大変感謝しています。

下記の情報もご覧ください

京都市情報館「中小企業のデジタル化・DXの推進」リンク  

https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000284686.html

令和5年度成果事例集リンク(弊社もP18に掲載していただいています)

https://www.city.kyoto.lg.jp/digitalbook/book_cmsfiles/2632/index.html#target/page_no=1